Q1.日常生活で清潔を心がけているようでも、時々感じるおしものかゆみや痛み、ニオイ。このようなトラブルは、なぜ起こるのでしょうか?
昨今は、産婦人科でも、デリケートゾーンのかゆみや痛み、ニオイのご相談が増えています。これらのトラブルは、昨今の女性のライフスタイルが関係しています。もともと女性の外陰部は腟の分泌物で湿っている場所。その部位を長時間スリムなパンツスタイルやタイトなランジェリーで閉じ込めておくと、トラブルが起こりやすいのです。
Q2.蒸れてニオイがしてくるのはイメージできるのですが、ズボンスタイルやきつい下着がかゆみや痛みなどのトラブルにつながるのはなぜでしょうか?
まず、皮膚や粘膜が着衣やパッドでこすれてかゆみや痛みを起こすということがあるようです。その他、本来女性の腟内は一定の常在菌(註)がバランスを保って生育している場所で、排卵や月経のある年代では乳酸菌の一種の『ドゥーデルライン桿菌』が支配的なため有害な細菌は増殖しないものなのですが、汗や皮脂を分泌する外陰部もひっくるめてデリケートゾーンを締め切っておくと、腸内細菌、ガードネレラ菌、ブドウ球菌などといった本来腟内からは駆逐されるはずの有害な細菌が腟内に生育するようになります。
(註)「常在菌」:身体部位のうち無菌的でない箇所では、無害な細菌が安定した状態で生育しています。皮膚の表面、口や喉の中、大腸の内腔などがこれにあたります。このような場合に、生育菌をその部位の常在菌と呼びます。