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JIS A 5207(衛生器具 - 便器・洗面器類)改正について2022年8月22日に改正されたJIS A 5207(衛生器具 - 便器・洗面器類)について、ご紹介します。

JIS A 5207改正に関するQ&A

JIS改正に関するQ&Aをこちらにまとめました。

Q1.ISO13600の内容を反映させたJISとの記載が有るが、ISO31600とはどのような規格なのか?

ISO31600規格は以下のようなものです。
①水使用機器8品目(シャワー,水栓,フローコントローラー,大便器,小便器,食洗器,洗濯機及び洗濯機/乾燥機の組合せの乾燥に水を使用する乾燥機機能。)の節水ラベリングプログラムのガイドラインとなる規格であって、「節水要求事項」「節水試験方法」「節水ラベリング(表示)方法」に関するガイドラインでありますが、具体的な数値規定は有りません。
②自国の既存規格,日本の場合はJISになりますが、その中に上記規定が有ればその規格に準拠することでISO31600に適合することになります。一方、既存規格の無い国は本ISO規格に則り自国の規格を制定することが可能となります。
ISO31600の概要は下記URLのISOのwebで紹介(英文)されております。https://www.iso.org/standard/76401.html

Q2.何故ISO規格の内容をJISに反映する必要があるのか?

WTO加盟国は、TBT協定を遵守する必要があります。TBT協定は、工業製品等の各国の規格及び規格への適合性評価手続き(規格・基準認証制度)が不必要な貿易障害とならないよう、国際規格を基礎とした国内規格策定の原則、規格作成の透明性の確保を規定したものです。詳細は日本産業規格審査会(JISC)のHPをご覧ください。
https://www.jisc.go.jp/cooperation/wto-tbt-guide.html

Q3.JIS A5207がISO規格に適合したので、どの国でもそのまま販売、設置ができるのか?

できません。各国,地域(EU等)の法令・規制・規格・基準等に適合する必要が有ります。
ISO31600は節水ラベリングプログラムのガイドラインの規格であって、「節水要求事項」「節水試験方法」「節水ラベリング(表示)方法」に関するガイドラインが規定されていますが具体的な数値規定は無く、各国の法令・規制・規格・基準等に適合する必要が有ります。

Q4.JISA5207:2022年について、今回の改正点の内容は?

工業会HPにて確認ください。
https://www.sanitary-net.com/trend/standard/standard-jis.html

Q5.ISO対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”と有るが、何を修正しているのか?

JIS序文に記載に有りますように、ISO31600に適用される8品目のうち大便器及び小便器のみを対象とし,ISO31600に規定されていない洗面器,手洗器及び掃除流しを追加しているということがISOで言うところの「修正(MOD)」になります。

Q6.何故小便器の規定が変わったのか?

ISO31600に適合するには、その国の規格の中に「節水要求事項」「節水試験方法」 「節水ラベリング(表示)方法」が有ることが必須となります。小便器はJIS A5207-2019の中にはこれらの規定が無いためJISが改正されました。

Q7.小便器の水量区分でⅠ形が4L以下,Ⅱ形が2L以下になっているのは何故か?

Ⅰ形に関しては“国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律”(グリーン購入法)では洗浄水量4 L以下の小便器が“特定調達品目”の“判断の基準”などの対象になっていること、Ⅱ形に関しては製造業者が2 L以下を市場に投入していることから、これらの値を閾値として設定されました。

Q8.小便器で使用後の洗浄のみを洗浄水量としているのは何故か?
<JISの小便器洗浄水量の用語説明では>
使用前の小便器ボウル面をぬらす吐水及び排水配管の尿石付着抑制などの配管を保護するための吐水を洗浄水量に含めない

小便器ボウル面の洗浄と尿を器具から排出,搬送するという本来機能は本洗浄のみになりますので、そのように規定されております。
使用前吐水は使用者に清涼感等を提供するもの、 配管保護吐水は排水配管の尿石の発生を抑制するもので、洗浄機能には寄与しません。

Q9.小便器の全体水量はどこを見れば分かるのか?

各社のカタログ等で本洗浄水量,使用前吐水,配管保護吐水の水量が示されております。
(尚、各社で本洗浄水量,使用前吐水,配管保護吐水の表現は若干異なりますが目的は同じです)

Q10.大便器の洗浄水量には許容差の規定が有るが、小便器に無いのは何故か?

大便器の場合、洗浄水量は固定ですが小便器の場合は、使用頻度や滞在時間で水量を可変させるものが有るため、特に許容差を設けずⅠ形Ⅱ形の区分の規定のみが設けられています。

Q11.洗浄弁式小便器の水量試験が無いのは何故か?

洗浄弁式小便器の洗浄水量は洗浄弁の性能に依存し且つ、あらかじめ洗浄弁で調整した水量が小便器の洗浄水量となるので洗浄水量試験は設けられておりません。
(専用洗浄弁式小便器の場合は、洗浄弁と一体の製品なので水量試験を規定している)

Q12.洗浄弁式小便器の水量試験が無いのだが、洗浄弁の水量規定はどこで規定されるのか?

JIS B2061で規定されています。

Q13.無水小便器は当JISでの対象となるのか?

なりません。当JISは水洗式のものを対象にしております。

Q14.①洗浄水量2Lの小便器は洗浄水量区分はⅠなのかⅡなのか?
②洗浄水量4Lの小便器は洗浄水量区分はⅠなのか、それともJIS品にはならないのか?

①JIS A5207-2022のP4の表1に有りますように2L以下になりますのでⅡ形になります。
②JIS A5207-2022のP4の表1に有りますように4L以下になりますのでⅠ形になります。

Q15.小便器の新旧JIS記号が同じだが、複数台納入する物件では、JIS取得前後の製品が混在することはあるのか?

JIS改正の公示後、各メーカーが順次JIS製品審査を受けますので、生産・出荷の切り替え前後で同一品番でJIS取得前後の製品が混在する可能性はあります。
なお、改正前後で同一製品品番では性能・仕様は同一です。
同一であることの証明書を準備しており必要に応じて対応しますので各メーカーに要請願います。

Q16.大便器に関してⅡ形のみを節水形としたのは何故か?かつてはⅠ形も節水形と思うが。

“国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律”(グリーン購入法)では洗浄水量6.5 L以下の大便器が“特定調達品目”の“判断の基準”となっていることからⅡ形のみが節水形とされています。

Q17.大便器のⅠ型はもはや不要ではないか?
Ⅰ形・Ⅱ形を区分する必要は有るのか?

現時点では需要が有りますので、Ⅰ形の区分は残されております。

Q18.公共建築工事標準仕様書(青本)の改正との連動はどうなるのか?

公共建築標準仕様書(青本)に記載のJIS記号は、2019年JIS改正時同様に、青本の次回改正までの間は、読み替えの為に「新旧記号比較表」を準備しておりますので、これでの運用とさせて頂きます。

Q19.改正前後のJIS記号が比較できるものはあるか?(準備するのか?)

改正前後の「新旧記号比較表」を準備しておりますのでご覧下さい。

Q20.C1630S(専用洗浄弁式壁掛大便器Ⅱ形)が追加になっているが、複数台納入する物件では、JISマーク有り無し品が混在することはあるのか?

JIS改正の公示後、各メーカーが順次JIS製品審査を受けますので、生産・出荷の切り替え前後で同一品番でJIS記号の有無の製品が混在する可能性はあります。
なお、改正前後で同一製品品番では性能・仕様は同一です。
同一であることの証明書を準備しているので、必要に応じて対応しますので、各メーカーに要請願います。

Q21.C1630S(専用洗浄弁式壁掛大便器Ⅱ形)が追加になっているが、新JIS記号で指定されているのでJISラベルをもらうことはできるか?

JIS表示ラベルは工場出荷時点でのみ貼付可能です。現場での貼付や貼り替えは禁止となっております。

Q22.C1630S(専用洗浄弁式壁掛大便器Ⅱ形)が追加になっているが、JISラベルを貼付した製品はいつから出荷されるようになるのか?

工業会としては分かりかねますのでメーカーにご確認願います。
第三者認証機関によるJIS製品審査を受け、順次生産が開始されることになります。切替前の製品の出荷は在庫状況などにより異なりますが改正公示後1年以内に切り替わることになります。

Q23.本JISの英語版は無いか?

2022年版を(一財)日本規格協会で取り扱っております。
詳しくは、以下のURLをご覧ください。
https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JIS+A+5207%3A2022