2010.12.7節水型トイレが住宅エコポイントの対象製品に追加されました。
低炭素社会実現に大きく貢献 節水型トイレが住宅エコポイント対象製品へ
~すべての住宅用トイレの節水化でCO2 約38万トン削減可能~
10月8日に閣議決定された「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」において、住宅エコポイントの対象拡充が盛り込まれていましたが、11月26日に平成22年度補正予算が成立し、正式に節水型トイレが住宅エコポイントの対象製品になることが決定しました。
現在の制度でポイントの対象となるリフォーム工事(断熱改修)と併せて設置する場合で、かつ、来年1月1日以降に行われる工事が対象となります。
日本衛生設備機器工業会(会長:張本邦雄TOTO社長)では、かねてより、洗浄水量6㍑以下のトイレを節水トイレと定義し、その普及推進に努めてまいりましたが、今回、加盟5社の主力製品シリーズがエコポイント対象製品になります(※1)。これにより、現在6㍑以下のトイレ普及率(※2)の大幅上昇が期待されます。
※1 詳しい対象製品については、住宅エコポイント事務局のホームページ(ホームページはすでに閉鎖されています)をご覧ください。
※2 2010年10月末時点の普及率 8.8%(日本衛生設備機器工業会調べ)
算式=622万台(6ℓ以下トイレの累計出荷台数)÷7,101万台(水洗トイレの市場ストック台数)
なお、日本の住宅用トイレすべてが節水型(6㍑以下)に置き換わった場合、1年で約6億2,500万㎥もの節水(東京ドーム504杯分)が実現 でき、CO2も年間で約38万t削減 できます。節水型トイレの普及は、低炭素社会実現にも大きく貢献します。
住宅エコポイント制度の概要
平成23年1月1日以降にポイント対象工事を含む工事全体に着手し、「① 窓の断熱改修」や「②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修」と一体的に行う節水型トイレの設置工事が対象になります。
- 対象となる工事の期間:平成23年1月1日~7月31日に工事着手したもの
- ポイントの申請期限:平成23年1月11日~平成24年3月31日(戸別申請)
※一括申請の申請受付は、平成23年2月上旬に開始する予定です。 - ポイントの交換期限:平成26年3月31日まで
<ご参考1:節水量・CO2削減量 試算方法>
(1) 水洗便器の市場ストック台数
約7,101万台
(2) 水洗便器使用人数
約11,359万人
(3)1日1人当たりのトイレで使う水量
6㍑超便器使用の場合:約36.1㍑/日・人
6㍑以下便器使用の場合:約21.0㍑/日・人
(4)年間削減水量
11,359万人×(36.1-21.0)㍑/日・人×365日=624,826,205㎥
(5)年間CO2削減量
624,826,205㎥×0.59=368,648t/年 *CO2削減量(Kg)=節水量㎥×0.59
※常緑樹に換算すると約2,633万本/年相当
参考資料
住宅・土地統計調査(平成15年)
建物別ストック統計研究会報告書(2002年11月)
環境省 大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 廃棄物対策課「日本の廃棄物処理 H17年度版」
省エネ・防犯住宅推進委員会「省エネ・防犯住宅推進アプローチブック」
総務省統計局 統計データ「第2章 人口・世帯」(2005年度)
総務省統計局平成18年10月1日現在総人口
<ご参考2:なぜ水を使うとCO2が発生するか?>
生活で普段使用する水道水は、浄水場で飲用出来るように処理されます。
また、家庭で使用した水は、下水を通り処理場でキレイにして河川に戻します。
この2つの処理を行うときに電力を使用します。
つまり節水⇒節電⇒CO2削減とつながります。
<参考3:一般家庭での水使用目的>
平成18年度に行われた東京都の実態調査によると、一般家庭でのトイレの使用水量は、生活水の約28%を占めており、おふろや炊事よりも多くの水を使用しています。
<参考4:トイレ洗浄水量の変遷>
2006年以降各社より発売された住宅用トイレの多くは、洗浄水量6ℓ以下の節水トイレとなっています。
工業会の出荷数量から推測すると、市場の多くは1970年代から主流となった13ℓトイレが、まだまだ使用されているという状況です。しかし、最新の節水トイレは、13ℓ便器と比較した場合、50%以上の節水効果があります。試算では(4人家族)で、年間 約45,260ℓを節約でき、水道代も年間 約12,000円の節約 になります。※金額試算東京都水道局 265円/m³ (下水道料金込)