公共トイレ操作系設備配置等の共通ルール
公共トイレでは、さまざまな設備が充実し利用者にとって便利になってきています。しかしその一方で、壁面に設置される機器が煩雑になり、操作がわかりにくいという問題も出てきています。そこで、設備機器の使いやすい配置基準を定めた「JIS S 0026」が2007年3月に制定されました。このJISは、高齢者・障がい者が初めて利用することも多い外出先のトイレで「流し方がわからない」「洗浄ボタンと間違えて呼び出しボタンを押した」などの問題が起こらないよう、大便器まわりの操作系設備配置等の共通ルールを制定したものです。
視覚障害者(ロービジョン)
車椅子使用者
概要
※詳細は日本産業標準調査会(JISC)のWEBサイトをご覧ください。閲覧には登録が必要です。
https://www.jisc.go.jp
名称:JIS S 0026:2007 高齢者・障害者配慮設計指針-公共トイレにおける便房内操作部(便器洗浄ボタン及び呼出ボタン)の形状、色、配置及び器具の配置
操作部と紙巻器の配置ルール
配置の考え方(図1)
- 紙巻器・便器洗浄ボタン・呼出しボタンは大便器の左右いずれか一方の壁にまとめて配置します
- 紙巻器の真上に便器洗浄ボタン、その水平後方に呼出しボタンを配置します
配置と設置寸法(図2)
- 紙巻器は、便座上面先端から約150~400mmの高さに配置します(Y1)水平方向は便座上面先端から前方へ約0~100mmです(X1)
- 便器洗浄ボタンは紙巻器の上方約100~200mm(Y3)かつ便座上面先端から約400~550mmです(Y2)
- 呼出しボタンは便器洗浄ボタンと同じ高さで、その水平後方に約200~300mmです(X3)
紙巻器、便器洗浄ボタン、呼出しボタンに加え、手すりなどほかの器具が併設される場合や器具の形状によって、この規格に示す設置寸法以外となる場合も許容されています。
図1 配置の考え方
図2 配置と設置寸法
便器洗浄ボタン・呼出しボタンの形状と色(図3)
便器洗浄ボタンは丸型で、色は無彩色または寒色系、呼出しボタンは、便器洗浄ボタンと区別しやすい形(例えば四角や三角など)、色は暖色系が望ましく、いずれも周囲とのコントラストを確保することとしています。
便器洗浄ボタン 呼出しボタン
図3 各種ボタンの形状と色
上記、日本規格 JIS S 0026:2007を元に作成された国際規格 ISO 19026については詳しくはこちらをご覧ください。
ISO 19026:2015 アクセシブルデザイン公共トイレの壁面の洗浄ボタン、呼出しボタンの形状及び色並びに紙巻器を含めた配置について