トイレナビ

トイレの歴史

トイレ年表

普段、何気なく使うトイレ。ふと気になったことや比較的お問い合わせの多い、トイレに関わる情報をご紹介します。

「トイレの便ふた」はなぜあるの?

便ふたの役割としては、用便をするとき以外にはふたをしていた方が見栄えが良い、便器の中に間違って物を落とす心配がなく安心、暖房便座での断熱効果などがあります。但し、車いすを使用されている方にとっては、便ふたがあると開く操作や便座への移乗が難しく、背もたれ設置が必要な場合にも便ふたを取り付けません。公共トイレでも、管理面、メンテナンス、目的外の長期利用防止などを考慮し、便ふたなしを選択される場合があります。
また欧米では、部屋の中にも便器を置いて用を足す習慣がありました。そのため、臭いを塞いだり体裁をよくするために便器の周りを囲ったり、ふたを設けて便器を椅子としても使用していました。現在でも欧米の”bathroom”の便器(浴槽や洗面台と一緒に設けられているトイレ)にはふたがあり、ちょっと座って化粧をしたり、靴の紐を結んだりと、椅子代わりに使用されています。

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「温水洗浄便座」の「ビデ」とは?

「ビデ」は、生理時の不快感の解消や、産前・産後の清潔維持など、女性のための洗浄器機能です。18世紀初頭にフランスで洗い桶の一種として呼ばれ始め(文献1)、木製の細長い形のタライに脚をつけたようなものにまたがって局部を洗っていたことから、子馬を意味するフランス語の「ビデ(bidet)」と名付けられたようです(文献2)。そして、「ビデ」は、用便後の肛門の洗浄、女性の小用後や生理時の局部洗浄、足洗い、足湯にも利用できるので大変重宝され、世界中に広まりました。
しかし日本では、東洋陶器が大正期に商品化したにも関わらず、普及しませんでした。その理由としては、日本の住宅には「ビデ」を設置するだけのスペースがなかったことや、日本人には手を使って局部を水洗いする生活習慣がないことでした。この問題を解消し、日本で「おしりを洗う」という新しい生活スタイルを定着させたのが温水洗浄便座でした。「おしり洗浄」とともに「ビデ洗浄」を付加してスペースの問題を解消し、手を使わずおしりや局部を洗うことを可能にすることで、日本で広がり定着していきました。

参考文献1:ビデの文化史 ロジェ=アンリ・ゲラン、ジュリア・セルゴ 著、加藤雅郁 訳 作品社
参考文献2:トイレットのなぜ?:日本の常識は世界の非常識(ブルーバックス) 平田純一 著 講談社

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「トイレの日」はいつ?

“トイレの日”は毎年11月10日。「いい(=11)トイレ(=10)」の語呂合わせで、1986年に日本トイレ協会が開催した第一回「トイレシンポジウム」の席で決められました。この協会は、トイレに関心を持っている人たちが集まって自由に意見交換していた会が母体で、トイレの改善活動を全国に広げていこうと1985年に発足し、建築家、デザイナー、自治体、研究者、トイレ関連の企業などさまざまな分野の専門家の人たちに加え、一般の人も参加しています。公衆トイレのメンテナンス、お年寄りや体の不自由な人がラクに使えるトイレ、地震などの災害時のトイレ、観光地のトイレ整備、ジェンダーフリーのトイレ、環境にやさしいトイレなど、様々なテーマに取り組んでいます。
また、11月19日は「世界トイレの日」として、2013年7月24日の国連総会で定められました。2011年11月19日に、シンガポールで世界トイレ機関が創設され、「世界トイレサミット」が開催されたことに由来します。

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