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2024年5月20日に新規制定されたJIS A 4424(温水洗浄便座-性能測定方法)について、ご紹介します。

JIS A 4424新規制定の趣旨

近年、温水洗浄便座が世界的に普及し、国際化が進む中で、日本の製造業者による温水洗浄便座の海外への輸出が増加するとともに、海外製の温水洗浄便座の我が国への輸入も予想されています。しかし、温水洗浄便座の性能は、各国の独自評価方法によるもので、温水洗浄便座として使用者が期待する十分な品質を要しているかどうかが問題視されており、適正な評価方法の国際的な標準化が強く望まれていました。

そこで、JIS A 4422: 2011(温水洗浄便座)に規定されている性能試験方法を基に、日本提案によって温水洗浄便座の性能測定方法についての国際規格の開発を進め、2022年にIEC 62947(Electrically operated spray seat for household and similar use - Methods for measuring the performance - General test methods of spray seats)が発行されました。このような状況を踏まえ、温水洗浄便座の性能測定方法の国際整合化及び日本製品の産業競争力確保の観点から、IEC 62947を基にJIS A 4424が新たに制定されました。

JIS A 4424 (温水洗浄便座-性能測定方法)で規定された項目

主な規定項目は、次のとおり。

1 適用範囲
2 引用規格
3 用語及び定義
4 一般試験条件
5 洗浄性能
6 暖房便座性能
7 温風機性能
8 消費電力及び消費水量
8A 機械的強度
8B 耐久性能
附属書A(規定)洗浄性能測定用テストメディアの作成手順
附属書B(規定)洗浄水温度測定ジグ
附属書C(規定)小孔プレートへのテストメディア充塡手順
附属書D(規定)低温環境下における試験条件
附属書JA(規定)実使用における洗浄範囲試験
附属書JB(規定)実使用における暖房便座性能試験
附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表

JIS A 4424 (温水洗浄便座 性能試験)で規定された性能試験(一例)

■ 洗浄水温度、安定性、立上がり時間、及び温水持続時間について
海外の製造者の製品は、その市場特性に合わせた製品仕様となっているため、自動的に洗浄が停止するもの、貯湯式洗浄便座においては、洗浄機能を使用中に洗浄水温度が低下しはじめるものがあります。そのため、使用者が期待する品質かどうかを評価できるように、JIS A 4422に規定されている試験方法を基に、洗浄水温度の試験方法を修正するとともに、安定性、立上がり時間、及び温水持続時間の試験方法を追加し、使用者が快適に洗浄機能を利用できる品質を評価できるようにしました。

※上記 図の使用については、一般財団法人 日本規格協会の許可を得て、JIS規格内容より引用掲載しております。(引用元:JIS A 4424(2024) 図2,図3)

洗浄開始後10s~20sの平均温度Trangeを測定し、これより3度低い温度をしきい値として、温水立上がり時間t3Kaと持続時間t3Kbを測定する。

■ 便座表面温度、温度ムラ、立上がり時間について
海外の製品は便座の温度ムラが大きく、冷たい箇所や熱い箇所があります。そのため、十分に温かいか、温度ムラなく温まるか、即座に温まるか、及び使用者が期待する品質かどうかを評価できるように、JIS A 4422に規定されている試験方法を基に、便座温度の試験方法を修正するとともに、温度ムラ、及び立上がり時間の試験方法を規定しました。

※上記 図の使用については、一般財団法人 日本規格協会の許可を得て、JIS規格内容より引用掲載しております。(引用元:JIS A 4424(2024) 図15,図16)

便座開口部中心から30度刻みで放射状に基準線を引き、便座表面上の3点(内外周より12mmの点とその中心)の33点について、15s~3minおよび15~23minの2区間(上図)で平均値と標準偏差を測定する。

・上記、JIS A 4424(温水洗浄便座-性能測定方法)の基となった国際規格 IEC 62947については詳しくはこちらをご覧下さい。

関連規格はこちらをご覧下さい。
・ JIS A 4422(温水洗浄便座)

規格内容は、JSA Webdeskトップページ( https://webdesk.jsa.or.jp/ )からダウンロードしてご確認ください。